
小さい頃はちょっとした野望がさまざまな理由で達成できないことがままあります。出来ない理由はお小遣いが足りなかったり、親の目が厳しかったり、いけません、と言いつけられているからだったりします。
それだから大きくなってバケツプリンを作ってみたり、大きなパフェやハンバーグを独り占めしてみたり、変なものを買い集めたりしてしまうわけです。
私にもありました。それが「ぷよぷよたまご」です。
ぷよぷよたまごとは?

見ての通り、殻無しの卵です。酢酸によって卵の殻の主成分である炭酸カルシウムを溶かしたものです。
作り方は簡単。新鮮な卵(腐るとまずいので)を酢酸の入ったコップに入れるとすぐに二酸化炭素の泡が出てきます。穴を開けたラップで蓋をし、反応が弱まったら酢酸を取り替えます。そのまま放置で1、2日。流水でそーっと洗えばできあがり。もとの卵より一回り大きくなっているはずです。
化学反応の勉強にも、浸透圧の勉強にも便利ですし、やることは簡単なので小学生の自由研究に最適です。

小学生の時に科学雑誌か何かで読みまして、すっごくやってみたくなったのです。が、2回ほど失敗。理由は単純明快で、「ちびっ子は待つのが苦手」。反応が十分でないのにごしごし洗ってしまい、爪でぷちっ。
流石に親にとっちめられました。昔から学習机を焦がしたり溶かしたり、消し炭の大量生産から異臭の発生まで、前科が数え切れないほどあったので仕方ありません。
いつの日か必ずやってやる、と心に誓いました。

そして大きくなった私はやってしまったんですね。先日の休みに。成長って素晴らしい。ははは。
じっくり時間をかけて、そーっとそーっと。やっと成功させることが出来ました。なんだか愛おしいです。名前まで付けてしまいました。カルボです。酢酸はカルボン酸だからです。安直だ。
これは無精卵ですが、性別はどっちでしょう。鶏の受精には明るくないのですが、人間の場合は卵子がX染色体、精子がX染色体またはY染色体を提供するので性別の決定は精子に委ねられているわけですよね? 卵の状態では性別はないということでしょうか。むむむ。とりあえずカルボさんということで。

ちゃぽん、と水につけて浸透圧でさらなるサイズ拡大を図っています。きちんと実験した後は食べる気満々なのですが、今ちょっとググってみたところ「口に入れないでね」のような表記を発見……。だ、駄目ですかね。
昔の失敗作は自己責任ということで食べて処理していました。かなり酸っぱかったと記憶しています。
と、言うわけで「野望はいつか叶うかも知れないので胸の内に秘めておくと吉」という話でした。
次は何をしましょうか。