真夏の夜の怖(くな)い話

息抜き記事です。

エピソード 其の一

細く暗い夜道でした。切れかかった電灯が点々と設置されてている、滅多に人の通らない道。そんな道を野暮用を済ませた私は急いでいたのです。

前から、二十歳前後の男性が運転する自転車が近づいてきました。私はぶつからないように端に寄りました。彼との距離が5m ほどになったときでしょうか。その男性が突然「うはははは」と大声で笑い出したのです。

うわわわ、変質者ですか。しかし、好奇心のせいか極力視線を外しつつすれ違ったところでちらりと見てみたのです。

後ろには彼女が乗っていました。ああ、おしゃべりを楽しんでいただけですね。あらぬ疑いをかけてすみませんお兄さん。

エピソード 其の二

夜も更けて、人通りはおろか車通りさえ少なくなってきた頃。私は大通りから一本だけ離れた路地をぽてぽて歩いていました。一本離れただけなのに道幅は狭く、人が4,5人並んだら歩けないのではと思わせるような小道です。

月も出ていませんし、明かりも少ないので若干視界が悪いです。ブルーベリーでも食べるべきかななんて思いながら目的地へと足を動かしていました。と、余所様の家の塀に手をついている人影が見えました。

そこの家はマロンちゃん(仮名)という近所でも評判の可愛らしい犬を飼っていたのでフェンス越しになでる人は多いのです。あの人もそうなのかな、と思ったところで気がつきました。今は夜中です。マロンちゃんだって寝ています。あの人は一体何を。

そこまで思考を巡らせている間にその人影がはっきり見えるくらいに、つまり数メートルの所まで近づいていました。

その人が何をしていたかといいますと、小説や映画でもおなじみですが……、あの、カップルで向かい合って女性が壁にもたれかかり、男性が壁に手をついているっていうあれです。その人、ではなくてその人たち、だったわけです。

その姿を認識した瞬間、またその二人が私を認識した瞬間、熱帯夜にもかかわらず凍る空気。

悲しいかな、そっとしておいてあげたいという私のささやかな願いは狭い道の所為で叶えられることはなかったのでした。

総括

夏は恋の季節ですね。

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